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| タイトル | 日 時 |
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長い時間
来週の今頃はデリーに到着している。 バーラットの辻さんのお計らいで、今回もエアインディアから往路は30キロの荷物の許可をいただけた。山のように溜まっている子供服と文房具の中から、必要順位の高いものをより分けて、ひとつの箱に入れた。約10キロになった。残りはトランクに入れる20キロだ。大して入るものではないが、それでも、少しでも持って行って、子供たちの喜ぶ顔が見たい。帰りはこのトランクの中はバザーの売り物でいっぱいになるのだ。まるで行商のようだ。 デリーの友人から「マッテルヨ〜」とメールが... ...続きを見る |
2008/11/17 20:32 |
昔語り
相当なご機嫌だった。家で食事会をしてもこんなにしゃべる父を見たことはない。聞き手が良かったのかも知れない。聞き役の彼女に、話半分に聞いてねと耳打ちした。 傍から見ていると、話は現実と空想と、脚色と理想と、過去と現在がミックスされているのだが、饒舌な父を見るのはうれしかったので、じっと作り話しを我慢して聴いていた。 この数日、父の世話にもう体が疲れきっていた。むしろ気持ちが疲れていたのかもしれない。 自分の足がままならなくなった最近は、外に出かけて食事するのを拒むことが多くなった父が、今... ...続きを見る |
2008/11/16 21:57 |
閉店廃業
世界的な不況を解決に向けて話し合う、G20の会議がアメリカで開催されると聞いた。 この不況の嵐は、いたるところでさまざまな形を通して感じることも多くなった。身近では・・・・・・。 行きつけの画材屋さんがある日工事を始めたのを見かけた。「まあ!店内改装するのだわ、景気のいいこと!」と、その時は思った。それから数度、店の前を通るのだが、シャッターが降りたまま・・・・・いつ見ても降りたまま・・・・。これはおかしいぞ?それにしてもあの店が閉店?あれだけ働いていた従業員は?私の額のマットを切ってくれ... ...続きを見る |
2008/11/14 21:42 |
カレーづくし
日本人の一番人気メニューはカレーだそうだ。カレーは具によって人によって本当にさまざまなバリエーションができる。100人居れば100通りのカレーができるくらいだ。そして料理の腕の優劣がそうはっきりは見えない料理かもしれないし、食材もピンきりで、さまざまなカレーになるところがまたこの料理の面白いところかもしれない。。 時々無性に日本のカレーが食べたくなる時がある。伊勢原のお蕎麦屋さんのカレーうどんは絶品においしい。こんなことを書いているとまたカレーが食べたくなるが、昨日今日はカレー尽くしの日だ... ...続きを見る |
2008/11/12 23:00 |
過ち
相手がこちらの意に沿わないことをした時、まずはその人を責める気持ちになるものだ。そこから先が問題だ。 そのままその感情を走らせ、相手にぶつけるか、あるいは、ちょっと立ち止まって考え、そういう自分はどうだったかと思う時、走り出そうとしていた勢いがなくなる。 経典に「知らず知らずに犯したる罪とがを許したまえ」と書いてあり、毎日そこを読むたびに、そうだなそうだな!と思っているのだ。だから、人は攻められなくなる。 知らず知らずに自分も同じ過ちをどこかで犯して来たに違いない。その記憶と、罪の意識... ...続きを見る |
2008/11/11 23:12 |
いい夫婦
11月22日はゴロ合わせでいい夫婦の日だそうだ。 今日もそのいい夫婦に会った。このごろとても頻繁に彼らと街中で出会うので、失礼ながら今日は彼に「ねえマサクン!いつ仕事に行ってるの?」などと聞いてしまった。優しい彼は「ちゃんと仕事してますよォ〜」と笑っていたが、今年生まれた赤ちゃんを乳母車に乗せ、犬を連れて、3人と1匹でいつも一緒に歩いている。 彼女の今の悩みは、赤ちゃんが生まれてから、犬がもしかしたらストレスを溜めているんじゃないかと心配なことのようだ。赤ちゃんが生まれるまでの何年間は、... ...続きを見る |
2008/11/10 22:57 |
ネコ語
朝、お経を上げようとして仏前に座り、お線香の火をともそうとすると、必ずマイキャットがおかしな声を上げる。 ニャーオンと言う鳴き方ではなく、何か言葉に近いような、ムニャムニャとかすれた感じの声を上げるのだ。そして、せっかく電気カーペットで暖かくなっている寝床を出て、部屋からさっさと出て行くのだ。 もしかしたらお線香の煙がいやなのかもしれないと、最近思うようになった。 先月だった。偶然TVで、動物の言葉のわかる外国の女性のことが流れていた。どうして彼女に犬やネコの言葉がわかるのか知らないが... ...続きを見る |
2008/11/09 21:42 |
ため息
昨日のことだった。 「ああ!ちょうどいいところに来てくれたなあ!」と言った父の服装は、替え上着に外出用のズボンだった。 「どうしたの?どこ行くの?」たたみかけるように問いかけると「家に帰るんだ!」と憮然と言い放った。 「家ってどこの?」父はしばらく考えてから、「家だよ、東京のうちだよ・・・・・!」そう言って頑として帰ることを譲らなかった。私が上着をクローゼットに架けてしまおうとすると、強い力で上着を抑えて手から離そうとしなかった。 今までにも時々こういうことがあった。 まだ足腰が元... ...続きを見る |
2008/11/08 23:20 |
気抜け
物事には程よいタイミングと言うものがある。 しかし、人にはそれぞれのペースがあって生きているから、自分とリズムの違う人と付き合う時は、気をつけないと不協和音になることがある。 心のどこかで、人は人、自分は自分と、それぞれに違う相手を受け入れながらうまく自分を出していかないと、人といい付き合いができなくなる。 私は日常の暮らしの中で、さまざまな問題を抱えて生活しているので、出来ることは出来るうちに、すばやく解決して済ませてしまおうと言う習慣ができている。どちらかと言うとぐずぐず口先ばか... ...続きを見る |
2008/11/07 23:47 |
本好き
読書から得るものはたとえようもなく大きい。 救急車で病院に運ばれて、意識が戻るや、本を買ってきて欲しいと言った甥も、祖父である私の父の本好きのDNAを受け継いだのかもしれない。父はトイレでまで本は読まないが、その甥は、トイレでも本を読んでいる。 今日、友人夫妻と父を訪ねた。 ドアを開けると窓際の椅子に座って父が本を読んでいた。その顔がまるで泣いているようだった。「どうしたのだろう?」と瞬間は思ったが、すぐ、「ああ、本に感動しているんだ!」とすぐ判った。父は、友人夫妻の顔を見ると、顔を上... ...続きを見る |
2008/11/06 23:34 |
居場所
私の持論・・・・・・・・子供が不良になるのは、居場所がないからだと思っている。 安心できる人や、安全な、自分が安らげる場所を持っている子供は何にも心配することがないから、心が穏やかで静かで落ち着いている。ところかまわず大騒ぎして見たり、目だったことをして人目を引き、ストレスを発散する必要もない。人にもやさしくできる。これは、子供の話ではない。大人にもまったく同じことが言える。 いい年をして、傍から見ても恥ずかしいような行為をする大人に時々お目にかかる。それが恥ずかしい行為だと言われても、... ...続きを見る |
2008/11/05 22:11 |
ガイアシンフォニー
以前から評判の高いガイアシンフォニーbSを見る機会を得た。 さぞかし人が列をなしているだろうと思って、小走りに会場に行って見てびっくり、広いホールはガラガラで、悲しいくらいだった。上映が終わって、この映画のもたらす素晴らしさに、再度感動してからは、この空席が余りに痛ましくてならなくなった。 今この同じ地球上に存在するこんな素晴らしい人たちのすべてを、こんなに美しい映像とともに鑑賞できる幸せに、久方ぶりの興奮であった。そして、主人公になったどの方もが、ある瞬間に見せるすばらしく美しい表情!... ...続きを見る |
2008/11/03 17:30 |
写真
渡印に必要なビザの、申請用の写真を撮りに行った。 前回撮った写真のネガはもう写真店の保存切れで、また新しく撮りなおさなければならなかった。 レンズの暗い穴からこちらを覗かれるのはあまり好きではない。カメラに向かって上手にポーズを取れる人が居るが、私はどうも苦手で、さらにこの数年は、子供も居ない私には、写真は自分にとっての思い出以外何ものでもなく、私がこの世から消えたらもうすべてはゴミだと思っているから、なるたけなら写真は欲しくない。思い出は記憶から消えていいと思っている。 出来上がっ... ...続きを見る |
2008/11/02 21:29 |
オーラの泉
土曜日は時間があれば10チャンネルのオーラの泉を観るようにしている。毎回考えさせられることが多い。 今日など、一人でうなずいている自分に気がついて、ああ!いい番組だなあ!良いことを言う!と拍手していた。 自分に哲学を持てと言う、いい話を今日はしていた。 自分に哲学がないと、常に人に答えを求めて歩くようになる。占いや、手相や、霊視と言った、心の迷いを助けてくれそうな手段はいたるところにあるものだ。そういうものに自分の道しるべを求め続けると永遠に自分で答えを出せなくなるものだ。あたるも八卦... ...続きを見る |
2008/11/01 22:59 |
汚い言葉
今、TVでしきりに流れる有名人同士の元夫婦の、のののしりあいを聞いていると、お気の毒だなあと思う。 彼女の心がどんどん地獄に落ちているように感じられるのだ。汚い言葉は決して口にしてはいけないと、五日市 剛さんがよくおっしゃっている。汚い言葉はいつか自分自身に返ってきて、自分の心を更に汚すことになると、五日市さんは強調しておっしゃっている。体験上、私も確かにそんな気はする。 心の持ち方ひとつで、たとえれば人はビルの高いところに住むこともできるし、マイナスなことばかり考えていると、心はどんど... ...続きを見る |
2008/10/31 22:20 |
丘の上の父娘
父がまた平塚の施設に帰ってきた。なんだかとぼけたような返事しか返ってこなかったおとといの初日、私がケアハウスを訪ねると、ぼんやりして「疲れた・・・・」と眠そうだった。おとといの事は何にも記憶にないと今日言われて、よほど疲れて眠かったのだと思った。東京と、平塚と、私の家と三箇所を移動しながら生活していることが、父の生活に変化があっていいと私たちは思っているが、それが本当に父に良いのか、まだわからない。 今日も、ケアマネージャーさんが父を訪ねて来て、「長いこと一箇所でじっとしているより、一週間... ...続きを見る |
2008/10/30 21:48 |
ディヴァリー祭
10月のこの時期、インド中が光の祭典、ディヴァリーで一色になる。 日本に居るインド人の間でも、あちこちでみな集まってお祭りが開かれているようだ。 5日間にわたるこの祭典の初日は、ダンテラといい、ライトを家の周りに飾り、ラクシュミーの訪れを待つ。小さな素焼きの皿にオイルを入れ、白い糸をたらしてそこに点火し、家族中で家の周りをランプで飾るのだ。その夜の美しさはたとえようもない。 ことにすばらしかったのは、ガンジス川のほとりに沿って置かれたランプが、漆黒の闇の中で黄色い列となって夜を灯し続... ...続きを見る |
2008/10/29 21:10 |
不用品
「これは本当に不用品なの?」そんな衣類がごまんと袋に入って、妙円寺の納戸にぎっしり詰まっていた。 早く整理しておかないと、1月のバザーの品物を入れる場所がないと言うことで、早朝から片付けに伺った。 いくら貧しいインドの人でも、これは気の毒だと思うような品物もあったが、中には十分に着られる服も山のようにあった。バックから靴、アクセサリー、十分使えるグラス類、でも不要な人には単にゴミなのだろう。 一昨年、一緒にインドに行き、現地では本当にどういうものが必要なのか実際に眼で確認してからは、... ...続きを見る |
2008/10/27 23:24 |
目の上のこぶ
「目の上のこぶ」、日本語ではうまいことを言ったものだ。 人は自分に都合のいいことを言ってくれる人には好感を持つが、そのたびに腹立たしいと思うような苦言を言う人には近づきたくないものだ。当然の人情と言うものだ。しかし、しかし・・・・・・・である。 時に受け入れがたいことを受け入れる気持ちになって人の苦言に耳を貸すことが必要な時がある。そうしてまで自分に厳しく問いかけをしなければいけない事もある。甘言に逃げて、甘い蜜の方にばかり向かっていてはいけないことがある。万一、その苦言の元が愛情から出... ...続きを見る |
2008/10/25 22:04 |
素人・玄人
気の毒だとは思うが、現実は厳しい。 元私のお弟子さんだった方の息子さんが、自宅の母屋を改造して和食とすしの店を開店したのはもう2年ほど前になる。きっと、かわいい息子のために親が一肌も二肌も脱いだことだろう。当初は、助けてあげたい気持ちと、少しは義理も感じて数回でかけた。もし、とても良ければきっと、わざわざだってまた行ってみたいと思うものだが、あいにくそうではなかった。昼のランチに行き、夜は中庭にある樹齢数百年の這い松がライトアップされて美しいと言うので、それも見がてらでかけたこともあった。し... ...続きを見る |
2008/10/24 21:27 |
ひとり仕事
一人で過ごす一日の時間は、吐き出すように仕事がはかどる。気持ちのいいほど自分のペースでことが運び、たまっていた用がどんどん結果を出してゆく。一人でなければ、一人にならなければ、なかなか仕事は捗らないものだ。細切れの時間の中でやれることには限界がある。それでも、そうしなければならない時はジッとその中で出来ることをやっていくしかない。こうして一日全部が自分の時間の日は、うれしくて嬉しくてスキップしたいくらいだ。 あと一ヵ月後に迫ったインド行きの前に、年賀状講習会の原画を描き、1月のチャリティー... ...続きを見る |
2008/10/23 22:13 |
翻訳
フォトボランティアジャパンの活動を立ち上げた友人の口ぞえで、日本写真家協会から何度か寄付をいただいてきた。毎年12月に開催される写真展の売り上げから、その寄付の一部をいただいてきたお陰で、、この数年の間にベナレスの田舎の学校に井戸を作り、ビハールのマイナグリの学校の修理と増築をし、小さな支援のいくつかも重ねて実現することができた。 この秋は今までとは支援の視点を代えて、子供たちの心の啓発になればとカメラワークをすることになった。長年私たちの小さな活動を支えてくれたフォトボランティアジャパン... ...続きを見る |
2008/10/22 22:11 |
空高し
走っている、いや走らざるを得ない今の自分が、ふと時々無性にむなしくなる。誰にも代わってもらえないこの現実は、私に今、与えられた時間なのだと言い聞かせる。でも、どうしてこうなんだ・・・・・!と、やっぱり思う。 こんな日が来て、こんな形で毎日が過ぎて行くことが自分に起こるなんて考えても見なかった日々。 後ろでいつも優しい言葉をかけてくれる友人がこの上なくありがたい。さりげなく辛い思いを共有しようとしてくれる友人夫妻の、細やかな手助けが、涙の出るほどありがたい。 幸せや喜びなんて、ほんのつ... ...続きを見る |
2008/10/21 21:53 |
いつか・・・・・
ベナレスのダル・マチャックラ・ビハールを創設された後藤恵照先生はおとといもサールナートの門の入り口に座っていらしたそうだ。このごろ、ご高齢もあって、体調が思わしくないと、ウメシュから情報が入った。 歯もだんだん少なくなり、体もいつもだるくてとても辛いと言いながら、サールナートのスツッパの観光客の集まるゲートの入り口に、時間さえあれば出向いて座っていらっしゃる。 人によっては胡散臭そうに一瞥して通り過ぎる人も居る。後藤先生の偉大さを、後藤先生は何も誇示しないから、人によってはひとつの風景で... ...続きを見る |
2008/10/20 21:57 |
朝の時間
サクラの枝から紅葉した葉が大方散りつくした。 数千とある葉っぱのどれ一つもが同じ色をしていない。それぞれの葉がそれぞれのできる限りを尽くして、命を終えた姿だ。そして落ちつくしたどの葉もが美しい秋の色をしている。 今日こそ今日こそと思いながら一日伸ばしになることがある。時間がなかったり調節がうまくかみ合わない時だ。 久しぶりに朝の町へ出た。いつもと同じ道を歩き、ああ、今日は描くものに会えないかも知れないなあと、思っていても、どこかに必ず、足を止めさせてくれる画材はあるものだ。 ホトト... ...続きを見る |
2008/10/19 18:02 |
リキシャでベナレスへ?
地元の放送局で仕事をしている友人が、二宮にあるインドレストランへ連れて行ったくれたのは2週間ぐらい前だった。そのオーナーの安藤さんが16日にインドに出発した。出発前、彼女に会って話を聞きながら、そのあまりの勇敢ぶりと言うか、無謀と言うか、彼女の言を借りれば「私、体育会系なんです。無茶苦茶ですかねえ?」と言う言葉に少し心配になり、老婆心とは思ったが、もし困ることがあったら息子のウメシュに電話してくださいと言っておいた。体育会系はこの際問題にはならないと思ったが、彼女らしい言い回しだったのかもしれ... ...続きを見る |
2008/10/18 22:59 |
ぶどうの剪定
父を囲んだにぎやかな食事が今日で二日続いた。 東京から会食にわざわざこられた友人も居て、父はこの上なくご満悦に見えた。見たこともないような、ひと房500グラムぐらいはありそうな大きな巨峰と甲斐路を彼女がお土産にお持ちくださり、食後みなでつついていただいた。 房が大きいので一粒を取り外すと粒につながっていた小枝がニョッキとあらわに残った。「おいしいわねえ!おいしいわねえ!こんな大きなぶどう見たこともないわねえ!」と言いながら、手の出ることの早いこと! すると父が鋏を貸してくれと言い出した... ...続きを見る |
2008/10/17 23:54 |
物の言いよう
今日は秋晴れの、絶好の写生日和だった。それなりの身支度をしてみんな写生に行くので張り切っていた。 車で10分ほどの坂東札所に出かけた。私は以前にも何度か行っていたが、駐車場は広いし、何も言われた事などなかったので、10人で車3台を停めて写生を始めていた。 しばらくすると、少し剣のある顔で女性が「代表はどなたですか?」と寄ってきた。彼女によると、参拝以外、長い時間車を駐車されては困る、歩くかバスで来て欲しい、近所の手前があるのだ、と言うことだった。返す言葉もなくお詫びして、すぐ車を外に出し... ...続きを見る |
2008/10/16 22:21 |
だめもと
友人のインド人に頼まれたことがあった。 最後の仕上げに時間を要するので、先送りに溜めてしまっていたが、先日彼女に会ったとき、「細かいことはこちらでするから・・・・」と言われて気が楽になり、とは言うものの、ちょっと手を加えて下準備しておかなければ、分らないかも知れないと思った。 夕べはかなり遅い時間までその作業をした。作業をしながら、ふと、「だめもと・・・・・」と言う言葉が頭をよぎった。まじめに考えすぎている自分が、いったい何なんだろう?と思えて手が止まった。でも、また気を取り直して、仕事... ...続きを見る |
2008/10/15 21:13 |
悲鳴
最近私の周りは年老いた親の世話で悲鳴に近い声を上げている人が多い。「自分も必ずそうなるのよ!」と、会話の最後に落ちがつくと、その先の言葉は何も出てこない。 今日も髪の毛を振り乱し、介護の合間を縫って稽古に来た方が居た。 身なりも構わず来た事を取り繕いながら、忙しい合間に何とか自分の好きなことはやっていたいと思うのだろう。その姿が痛々しいくらいだった。彼女は若くしてご主人を亡くし、遺された舅は認知症になり、徘徊を繰り返す日々を何年も介護し続け、結局、何も判らなくなって最後は施設で亡くなった... ...続きを見る |
2008/10/14 18:01 |
おいしい水
聞くところによると、最近ダイエットで評判なのが、朝食にバナナ一本と、冷たくない普通の水を飲むのが効果があるのだそうだ。バナナが店頭から消えているという話も聞いた。 いつぞやの納豆ダイエットの時のように、効果は無しなどと言うことがなければいいが、日本人は飽きっぽいから、そのうちこの騒ぎも収まるだろう。 水と言えばインドでは人の家を訪問すると、まずグラスに注がれた水が出てくる。暑い国だから水が何よりのご馳走で、駆けつけいっぱいの水を飲んで、落ち着いたところでチャイなどが出る。水は決して氷など... ...続きを見る |
2008/10/13 18:56 |
もてなし方
茶道の極意は、人を、その限られたひと時の中でどんなに心をこめてもてなすかにある。それはまさしく日本人が長い歴史の中でひとつの文化として受け継いできた精神であったかとも思う。 しかし日本人は変わった。 日本の美しい魂を、忙しさを理由にさっさと忘れようとし、その事に何の心残りも残さなくなった。伝統や文化は時代とともに変わってゆくものかもしれないが、受け継ぐべき美しさも十分あるように思えるのだが・・・・・・。 とは言うものの、私もかつては何もかもを手つくりで迎えたお正月料理を、黒豆と煮物、な... ...続きを見る |
2008/10/12 18:38 |
その訪れ
神様がどこかで絶対見ている!そんな気がしてならない事が時々おこる。 その訪れは、もちろん前触れもなくやってくる。 あせらないように、急いで答えを出して過ちが起きないように、迷っている背中を押すためのように、そんな気持ちを見透かすかのように、必要な時に必要な形でやってくる。 めったに買いもしないケンタッキーフライドチキンのいい匂いに誘われて3ピースを買って帰った。 飲みきれないビールを半分残して今晩の夕餉は済んだところだった。青々した葉のついた大根は、インドの大根のように小さかったが、... ...続きを見る |
2008/10/11 22:47 |
声美人
久しぶりに歯に重い感覚が襲い、心配して医者に予約を入れた。以前も同じところが同じように重く感じられた事があり、その時も虫歯ではなかったからきっと大丈夫と思ったが、インド行きを前にして用心のために診察を受けた。インドで歯が痛くなったら困ると言う心配があるからだ。幸い、歯茎の炎症でことは済んだ。 予約の電話をすると、受付に居る女性の声のトーンがとても気になる。 どこか具合でも悪いのかと思うような低い声で返事が来ると、次の言葉を言う前に気持ちが足踏みをする。会って見れば何のことはない普通の人な... ...続きを見る |
2008/10/09 17:31 |
会うべきとき
俳優の緒方 拳が急逝したことに驚いて、昨日今日とどこに行ってもその話で持ちきりだった。 人は必ずいつか消えてゆく運命にあることを、こんな節々に思い出すものだ。 一年に一度くらい、七夕様のように連絡をくれる幼友達が居る。成りは大きいが弟のようなものだ。昨日自分の店が休みだからと言って遊びに来た。薄暮のころから3時間ほど飲んで「ああ!今日は楽しかった!」と言って帰っていった。一年に一回ぐらい会おうよ、と言って別れたが、この前会ってからもう一年も過ぎたのだろうかと思うような早さだ。彼も、緒方 ... ...続きを見る |
2008/10/08 22:51 |
文章を書く
大阪の友人から新聞の切抜きが送られてきた。 曽野綾子の書いた文章だった。私は彼女の文体がとても好きだ。切り口のよい聡明さが彼女の哲学の表れだ。 今朝、東京に向かう車の中で聞いたラジオで、詩人の荒川洋二がやはり文体の話をしていた。今日のテーマは接続詞の使い方で文章の印象はがらりと変わるという話であった。同感ばかりであったが、あいにく運転中で細部が聞き取れなかったりもしたのが少し心残りに感じられた。 毎日こうしてブログを書くことはまったく苦痛ではなく、むしろ、時間さえあれば書きたい気持ち... ...続きを見る |
2008/10/07 22:07 |
絶景かな!
二宮市にあるインドレストラン、「SAGAR}」のオーナーからの申し出で、仲介の方と一緒にお昼どきに出かけた。 以前から絶景のレストランとして評判は聞いていたが、まさかこんな形でそこのオーナーと繋がりができるとは思っても居なかった。 住宅街の真っ只中を曲がると突き当たりはもう太平洋、海に張り出るようにガラス張りのレストランがあった。ランチタイムで、席はほぼいっぱいだった。 玄関から流れてくるカレーのにおい、潮風で傷むのか、朽ちかけたウッドの床や側壁やドアや、表札に至るまでが慣れ親しんだ... ...続きを見る |
2008/10/06 22:49 |
笑い声
意識改革はすごいものだと、今日若い人から教えられた。 心の表情は顔立ちに出るものだ。久しぶりに石鹸で洗ったようなすっきりした顔の彼女に再会した。うれしかった。 彼女は今毎日、山崎パンの工場で流れ作業の仕事をしている。数ヶ月前会った時とは見違える様子になっていたのがうれしい変化だった。彼女の中で大きく何かの意識が変わっていた。 朝7時から夕方まで、ベルトに載って流れてくるパンに、ひたすらキュウリや卵を乗っける単純作業をしているのだと言う。普通ならそんな単純な仕事は苦痛でしかないものを、彼... ...続きを見る |
2008/10/05 22:32 |
まじめにヨガ
加齢は正直に体が訴えてくる。 10月からまじめにヨガ教室に通うことを決めた。 今まで参加したのは10回のレッスンのうち1回ぐらい、不真面目もいいとこだ。 ヨガというものを始めて体験したのは、ヨガのアシュラムがたくさんあり、日本からもヨガの勉強にたくさんの人が行く聖地、北インドのリシケシのホテルだった。さすがに聖地とあって、ホテルも街中もみんな菜食であった。もう数十年前の思い出だ。朝、ホテル主催のヨガ教室があるというので参加した。硬いからだが情けないほどだった。 小田原に居る友人が、... ...続きを見る |
2008/10/03 21:36 |
対向車の顔
車を運転しながら時々、思うことがある。 車は凶器だと言うことだ。そのことを教えてくれるのは対向車の運転をしている人の表情を見ている時だ。 危うい運転をしている人は日になんども見る。運転に慢心している様子がわかる。ペダルひとつを足で押し続ければ車は安易に動くし、囲われた大きな塊の中に居れば、歩行者や自転車は運転の邪魔にしか見えなくなることもある。窓から手をぶら下げて片手で運転している人。まだ携帯電話を使いながら運転する人も時々見る。ウインカーを出さないので直進かと思っていると、突然曲がって... ...続きを見る |
2008/10/02 21:38 |
家族ぐるみ
図書館に本を借りに行きたいというアシュビニの通訳で外出した途中、父のところに寄った。 このごろのんびり父と過ごしていないことも重々承知ではあったが、今日もそれとなくあわただしい訪問であったことが心に引っかかっていた。どこに居ても落ち着かない自分が情けない。 ドアを開けると、TVの国会中継を見ていた。父は昔から、時の動きにいつも敏感に頭を働かせて、世相を観察していた。一人部屋の中で過ごしていた父を見て、アシュビニがこう言った。「お父さん、ロンリー・・・・・」 さらに付け加えて、「インドで... ...続きを見る |
2008/10/01 22:35 |
親切がアダ
私が彼女につけたニックネームは、「夢見る夢子さん」である。 マシュマロのような、ふわふわと柔らかな雲のような、なんとも喩えようもないやさしい雰囲気を持った彼女との出会いは、インドだった。初めてのインドツアーに参加したときに知り合った。もうかれこれ30年近いお付き合いになる。 恋をし、世界を飛び回り、ある時は仕事をなげうって自分の夢に向かってオーストラリアでボランティア活動をし、それからまたいくつも恋をし、そのつど熱い話を聞かせてもらってきたが、いつも幸せそうで充実している彼女見ているのは... ...続きを見る |
2008/09/30 21:25 |
ナマステ・インディア
毎年秋に開催されるインド祭り・ナマステ・インディアに昨日行って来た。 平塚からビピン夫妻、友人と5人、東京で他の二人と合流し、迷い子になりそうな人であふれた会場を、ぞろぞろ連れ立ってみんなで見て回った。若い二人のインド人と私たちとは関心事が違うので、一緒にランチのカレーを食べ終わると、適当に彼らはぶらついて帰宅したようだった。その後のわれわれのパワーはすごかった。 「もう別にインドの服が欲しいわけでもないし、アクセサリーが欲しいわけでもなし・・・・・・」そんなことを呟きながら、全員の足が... ...続きを見る |
2008/09/29 23:07 |
情報
10月に、始めてインドに観光に行く友人の友人が居る。 一度だけお目にかかったことのある方ではあったが、お人柄などはまったく知らなかった。この数ヶ月、彼と手紙のやり取りをしながら、実に彼の人柄と性格がはっきりと見えてきた。インドに行くについての事細かな調査と計画のプロセスが毎回手紙に書かれていて、そのつど私のアドバイスを求めてくるのだ。 私には彼はもう十分インドに行った様なものだと思えるくらいである。 もう何年も前に作った私のカレンダーが、友人の手から彼にも渡っていたようで、最終ページに... ...続きを見る |
2008/09/27 21:14 |
家庭料理
たまに食べたくなるインド料理、確かにレストランにはレストランの味があって美味しいが、家庭の味とは違う。 たぶん万人向きに作られていることと、コクのある味が旨みを感じさせるのかもしれない。しかし、大概食べ終わった後、胃がもたれる。家庭料理にはそういうことはない。 日本に住んでもう6年になるムンバイのビピン君は、一週間ずっとインド料理だと胃が重くなるので、2〜3回は日本料理を作って欲しいと奥さんのアシュビニに頼んでいる。しかし彼女は自分の好きな餃子が、日本料理だと思っている程度の理解だから、... ...続きを見る |
2008/09/24 22:45 |
笑顔が勝ち
どんな商売も、生き馬の目を抜くような時代を勝ち抜くのは大変なことだろうと思う。 絶対大丈夫などと言うものはなく、いつどんな対抗馬が現れて自分の足元を掬いに来るかもわからない世の中だ。 しかし、今日ひとつ感じたことがあった。 やっぱり人は、気持ちのいい店にはまた行きたくなるものだということだ。何が人を気持ちよくさせるかと言えば、私は「笑顔」だと思っている。 あまりせいせいと売れているようにも見えないが、つぶれもせず、必死に頑張っている八百屋さんが近くにある。少し割高だが、店主の気持ち... ...続きを見る |
2008/09/23 21:55 |
幼子の顔
つい昨日のことのように思い出される記憶。 わが子の小さな口元にご飯を入れてやっている甥の姿は、ついこの間、私が彼にしてやっていたことそのものだ。年を経て大人の顔つきに変わったものの、幼子の時の面影はいとしいほど彼の表情に残っている。 「おばさん、ハグハグしたいよ〜」と叫んだら、優しい甥はニコニコ笑っていた。兄がこうして幼かった彼らにご飯を食べさせ、世話をしてきたように、また自分の子供に同じことをしている姿を見ると、輪廻の糸を強く感じる。 長い年月会うこともなく来た甥であったが、血という... ...続きを見る |
2008/09/22 22:55 |
無知の罪
知っていてやる罪と、知らないで犯す罪とどちらが重いのか私には計ることができない。 初めてではない。今まで、なんどもなんども同じように形を変えて私は重い気分にさせられてきた。いまさらどうと言うこともないけれど、やっぱり私の感覚とはまるで違うのだ。 何なのだろう?平気でそんな言葉を言える感覚!私にはまったく理解の届かない世界にいる人が居る。関わらずに生きられればそれに越したことはないが、そうも行かない関係がある。 知らないからできるに違いない。無知なのだと思い、そのままを受け止めてお付き合... ...続きを見る |
2008/09/20 23:01 |
おくりびと
今、見たい映画が目白押しだ。 先日、京橋で限定上映中だった映画、「ぐるりのこと」、これは2回も見に行くタイミングを失ってしまったし、東中野でやっていたドキュメンタリー映画「港のメリーさん」、これはどうしても見たかったのに、これは3回目、また見に行くきっかけをなくして見損なった。今日こそ、今日こそと思い続け、すでに上映の始まっていた映画館に遅れて駆けつけ、昼ごろ、今話題の映画、「おくりびと」を見てきた。 行き付けの映画館はウイークデイなのに、かなり混んでいて、座席は前方しか取れなかった。空... ...続きを見る |
2008/09/19 21:21 |
素食
今月の絵の教室の画材、テーマは「魚を描く」だった。 各々が持ち寄った魚は、部屋中に生のにおいを撒き散らし、昼近くになって、空腹が感じられるようになったころには、画材から食材にわたしの目線が変わり始めた。 メバルは竹のかごに乗っていて、その竹かごからはみ出すほど大きな干物だった。メバルの顔つきはごつくていかにも格好の画材だったが、一番食欲をそそったのは大きなマイワシだった。丸々と身のついた青光りしたマイワシは、白いご飯と戴いたらさぞかし美味しかろうと・・・・・・そんなことばかりが頭をよぎっ... ...続きを見る |
2008/09/18 22:29 |
太った猫
人が眠い時間に忍び足で部屋を行き来する。深夜にお皿に開けられた餌を、カリカリカリカリといい音をさせて食べている。かと思うと、高窓に飛び乗って、片手で窓を空けて外に飛び出す時もある。ドーンと言う音で目が覚める。外でトイレがしたいようだ。開けた窓は閉めないから、また起きて窓を閉めにいかなければならない。 人がそろそろ起きようかという時間になると丸くなって床につく。時には昼過ぎまで死んだように眠りこけていることがある。夜行性というのはこういうことかと思う。それでもかわいい。 生まれたての野良... ...続きを見る |
2008/09/17 23:09 |
切ない視線
大概、父を訪ねるとトイレに居ることが多い。今日はトイレに座ったまま立ち上がりもせず、私の話を聞いていた。 話を聞きながら、目に涙が浮かんだ。 東京で父と同居している唯一の孫が、昨日病院に運ばれ、今、ICUで治療を受けていると言うことを、父に知らせないわけには行かなかった。正常に頭も働いて反応もあるし口も聞いているから大丈夫、今は大事をとって治療しているだけだからと話しているうちに納得したようだった。 たったの二日間、私が旅行に行って父に会いに行かなかっただけで、何年ぶりかで再会したよ... ...続きを見る |
2008/09/16 22:18 |
家族
いまどき、部屋に専用のトイレもない宿があった。 その宿も、今月中に解体され新しく生まれ変わるのだと言う白川、甲子温泉。最後の見収めの時に泊まった訳だ。携帯の電波も届かない山奥のひなびた温泉だった。何もない・・・・あるのはただ緑一色の木々と山ばかり。夜はうっすらと肌寒い山間に埋もれるように宿が建っていた。 宿のいくつかの源泉は、阿武隈川に沿った渓流に並んで作られていた。透き通るように透明で速い流れの阿武隈川が眼下に見える橋を渡り、浴衣姿でなんどか温泉をはしごした。 東京から来るとひとつ... ...続きを見る |
2008/09/15 23:10 |
くしゃみ
もう、花粉症が始まっているらしい。 このところ、やたらと鼻がムズムズし、くしゃみも出る。何とはなしに体がけだるくのども痛い。風邪かもしれないと思い込み少し大事はとっていたが、今日急に外出先でくしゃみが止まらなくなった。 間違いなく花粉の飛んでくる季節になっているようだ。 この三連休の渋滞の真っ只中に明日出発する福島県、甲子温泉。 年に一度の仲間たちとの旅行は、どうしてもこうした連休でなければ行かれない。渋滞中も仲間と一緒なら楽しいものだ。40年来の友人たちは少しづつみんな年を重ね、い... ...続きを見る |
2008/09/13 21:58 |
うしろ姿
日差しの強さ、風は秋。ひまわりが終わり、ノコギリソウが天に向かって背伸びするようにそそり立ち、紫式部の枝が少しずつ重そうに枝を垂れ始め、虫の声は秋の支度を告げ始めた気がする。 早朝、春日神社に着くと、神主の母上が45度に曲がった腰で、境内を掃き清めていらした。 くたびれた洗いざらしのズボンのウエストから、白い腰ベルトが飛び出している。境内の土と、にらめっこでもしているように屈んで、一心不乱に掃除をしていらした。朝の挨拶を声がけしても、耳も少し遠いようで目でも合わない限り返事は戻ってこない... ...続きを見る |
2008/09/12 22:02 |
秋野不矩展
生誕100年を記念する秋野不矩展が神奈川県立近代美術館で開かれている、先送りしていると、行きそこなうので、今日を逃さず出かけようと思った。 夏の盛りをほぼ過ぎた葉山の海岸は人通りも少なく静かだった。マリーナに停泊するヨットを見ながら狭い道筋を走るバス、海の見渡せる美術館に来たのは、ビャコメッティー展以来だ。 去年、浜松の秋野不矩美術館を訪れた時は、小倉遊亀、片岡球子との三人展の最中だったので、不矩さんの作品は少ししか見られなかった。今日は広い会場を埋め尽くした大作の多さに十分すぎるほど... ...続きを見る |
2008/09/10 22:18 |
美白
インドの女性たちの美白と色白への憧れは強烈なものがある。 私に言わせれば、あの健康そうなコーヒー色の肌はいかにも輝いて美しい色に見えるのだが、インドの女性たちは反対に白い肌にあこがれるようだ。日焼けサロンに行ってわざわざ皮膚を茶色に焼いている日本の女性と代わってあげたいようだがそうも行かない。 アシュビニは先日お台場に行って、泡の洗顔フォームとパックをどこかで試したらしく、ことあるごとに肌が輝く洗顔フォームが買いたいと言い続けている。今でも充分黄金色に輝いて、張りのある健康そうな肌だと思... ...続きを見る |
2008/09/09 22:27 |
人さまざま
夕方アシュビニが、走って来て、熱々のアルーパラタを届けてくれた。薄茶色の懐かしいインドのローティー、早速夕食に、ヨーグルトをつけて食べた。 相変わらず、来日中のビピンの姉さん、プーナムは無口で、感情をほとんど外に出さないので、アシュビニもほとほと困り果てているようだった。姉さんのために二人が浅草観光に連れて行ったり、お台場に連れて行って楽しいでもらおうとしているのに、一向に楽しげではないし、かといって誘えば行くと言うのだそうだ。 さすがに性格の穏やかなビピンが先日怒って姉さんを叱ったらし... ...続きを見る |
2008/09/08 21:32 |
涙の対面
90歳になる叔母は3年前に見舞った時に比べると、思いのほか様態の変化がはっきりと見えた。 95歳の父は、叔母の横たわるベッドにそろりと近づくと、一言、「こんなになっちまったのかア・・・・・」と、小さな声で呟いた。そして見る見る間に目頭が涙で埋まった。叔母の耳元で、見舞いの来訪を告げると、唯一動く目だけが、大きく見開いて、まるで返事をしているかのように、その左の目から一筋の涙が流れた。 聞こえている、分っている、周りで見ていた私たちは、確かにそう感じた。叔母にとって父は大好きな兄ちゃんだった... ...続きを見る |
2008/09/06 22:45 |
トイレ掃除
昔はよく言ったものだ。「女の子はトイレの掃除をすると、きれいな女の子になるのよ」と、それは人の嫌がる仕事ができる心の美しさが、表情に出るからだと言いたいからだろう。 ところがトイレ掃除はインドではとても特殊な仕事になる。文化の違いを知らないと、日本では美徳のように言われていることも、インドではまったく通じない。廃止されたとはいえ、カーストが今も職業の上にはっきりと残るインドでは、日本人が考えるほど簡単にトイレ掃除のことを扱えないのだ。最下層の人々の仕事を、上のカーストの人間がすることは私た... ...続きを見る |
2008/09/05 18:56 |
ツアコン
一人旅のインドほど楽なことはない。乗り物、宿、食事すべてが自分ひとりの考えで決められるし自由だ。 人と旅するときのインドは、それなりの理由もあることだから、それはそれとして旅の時間を楽しむすべは理解しているつもりだが、出発前の旅のアレンジは私の仕事になる。 いくらかは地名と位置が頭にあるので、一緒に行く方は「わかんないからおまかせよ〜」と、わたしに一任になる。何回もインドに電話をかけたり、メールをしたり、プログラムの変更をしたりして、まるでツアコンだなと思う時がある。 最近はインドの... ...続きを見る |
2008/09/04 22:36 |
ラッキービーズの事
先だって、横浜ペンクラブの原稿に、ラッキービーズを見つけるまでの経緯を書いた文章を掲載したところ、これを欲しいと言う人が何人か出てきた。私は、今まで買って来たラッキービーズは、依頼された、亡くなった長田先生に全部お渡ししてきたので、手元には去年、思い出に買った数粒しかなかった。 今秋、インドに行った時、必ずそれがあるとも言えないので、デリーに電話をかけ、私がやっとの思いで探し当てた店に行って買っておくようにウメシュに頼んだ。 彼は「わかりましたが、今はとっても高くなってますよ」と、言っ... ...続きを見る |
2008/09/03 17:30 |
死者との交信
夏のお盆に、母のお墓参りができなかった事がとても心にひっかっかっていた。今日の命日には絶対に、お墓に行こうと前から決めていた。 夕べ、仕掛けた目覚まし時計、電池が切れていて、今朝鳴らなかった。飛び起きたのは6時半。びっくりした。 家を飛び出て車に飛び乗った。エンジンをかけ、車の窓を少し開けた。その時・・・・母が亡くなったとき、3日間ずっと棺の上に止まっていた蝶々、あの日と同じ蝶々がどこからともなくひらひらと飛んできて車の中には入らんばかりに二回ほど旋回して姿を消した。思わず・・・・おかあ... ...続きを見る |
2008/09/01 23:02 |
ボリウッド
年間1000本は超えると言われるインド映画の制作数、映画製作の地、ボンベイとアメリカのハリウッドをもじって、インド映画を通称ボリウッド映画と言うのはインド好きの間では知れた言葉だ。 行く所に行ってみると、まあ居る居る!インド大好き人間が集まってくるものだ。どことなしにみんな服から靴からアクセサリーからインドの匂いのするものを着ていて、そこに来ているインド人のほうが、ジーンズやTシャツで普通のカッコウをしていたりして笑えた。 その日を待っていたのだ。大々好きなシャールクカーンの映画が一気... ...続きを見る |
2008/08/31 17:06 |
特等席
「新歌舞伎の招待券があるのよ。S席のいいところだから一緒にいこう!」と言う強い誘いに押されて出かけてきた。行って正解だった。本当に前から4列目、真正面の特等席だった。 猿之助が演出し、市川右近が主役の「梁山泊」と言う芝居だったが、舞台の張り出しに座って演技する役者の、皺まで見えるほどまん前だった。 自分ではこんな席を買うことはないから、人の誘いには乗ってみるものだ。何の知識もなく出かけたが、熱烈なフアンが居るようで、売店のサイン入りグッズは大方売れていたし、先着20名で役者と一緒に写真... ...続きを見る |
2008/08/29 22:34 |
心に残るもの
最近、もともとの映画好きが、また、むくむく頭を持ち上げだしている。いい映画は万難を排しても見に行く。 それに、最近発見したことは、頭の中のお掃除には映画が一番だと分った。つまり・・・・・父が帰ったあと、私の疲れてしびれきった頭は、温泉でも、お酒を飲んでも治らないが、映画を見るとすっきりすることが分ったのだ。 それで・・・・・・今日はいそいそと、やっぱり映画大好きな幼友達が薦めてくれた映画を見に、銀座に行ってきた。 1953年のフランス映画だ。「白い馬」と「赤い風船」の二本立てだった。モ... ...続きを見る |
2008/08/28 19:23 |
一念の強さ
厳しい、本当に厳しい世界だと思う。 オリンピックのメダリストたちの口から出る、自分に負けない覚悟と自分を信じる強さ。そしてそれを一過性にしないで思い続け、実行し続ける強さ。アスリートのすばらしさは人間の生き方のすばらしさを教えてくれている。 一念を貫いたすばらしい人たちは私の周りにも居る。言い訳なんかその方たちの前では何も通用しない。そのお一人が、インド・ベナレスで学校をはじめられた後藤恵照僧侶である。先ごろ、関係者から、後藤先生の学校がTVで放送されるとの連絡が来た。 番組... ...続きを見る |
2008/08/27 19:10 |
覚悟
朝、うなされたように目が覚める。夕べも胸苦しくて、なんども深呼吸をして、自己暗示をかけながら寝た。 目が覚めたとたん、父のことが反射的に頭に浮かび、「ああ!お父さん帰ったんだ!」と,われに返るのがいつものパターンだ。頭の中が四六時中父のことでいっぱいだったのがわかる。 そして、この一週間のために、あんなに覚悟を決めていたはずの事が、ひとつも実践できなかったと自分を苦しめる。ゴメンゴメンと思いつつどうにもならない思いが無償に情けなく腹立たしく、また自分で自分を裏切ったいくつかのことが胸に溜ま... ...続きを見る |
2008/08/26 21:34 |
ハッピーバースデー
傘をさして朝のウオーキングに出た。表紙の破れかけているスケッチブックを片手に・・・・・・ 高麗山は雨で煙っていた。頂上の色が空の色と混ざって雲のように動いていた。歩きながら頭の中でその光景を描き続けていた。家に帰って早く紙に描きたい。そんな衝動が眠っている心を突き動かす。 住宅街の間から頭を見せている山、こんな何の変哲もない普通の風景を描けばいいのだ。多くの画家たちはみんな、ごく普通の身の回りにある風景をたくさん描いている。 私も歩きながら、同じ景色をなんど描いて来たことだろう。同じ... ...続きを見る |
2008/08/25 22:30 |
小雨
「お疲れなのよ」そう言われた。 手帳にしっかり書き込んである予定の、日にちを間違えたのはこれで二回目。一回目もつい最近のことだった。私はこんな間違いをする人間ではなかったと思うが、どうしたわけか最近時々頭の中が妙に混乱する。頭痛も起きる。心の休息する時がないのは確かだ。そのせいかどうか分らないが、気をつけなくてはと思っている。 「24時間、四六時中目が離せなくなったでしょ?」と人に言われて、確かにこの最近、父の体は見る見る衰えていると思うし、歩くのも目に見えて困難になってきた。それに伴い... ...続きを見る |
2008/08/23 18:46 |
こより
手作りのスケッチブックを30年近く使ってきた。 半紙を半分に折り、紙の間に墨が染み込まないようにロール紙を挟み、20枚を一冊にしてそろえ、二箇所に目打ちで穴を開け、こよりで綴じる。それだけでは見てくれが悪いので、その上から、こよりを見えないように紙で包むようにして、さらに固定させる。これで私のスケッチブックが出来上がる。 これは、私は絵を描くきっかけとなった島田さんから見習ったことだ。いま少し病んでおられる様子で、あの島田さんもスーパーマンでなくてよかったと、妙に安心したりしている。 ... ...続きを見る |
2008/08/22 22:30 |
地獄の沙汰も・・・・
「人間にとって一番大事なものは何?」と聞かれたら、誰でも一番に、「心」と答えるだろう。次は?「家族」と言う人もいるだろうし「配偶者」と言う人もいるかも知れない。でも、お金は限りなく大事なものだ。 何人もの友人の口から出た言葉・・・・・「年をとってお金がないのは惨めだね」。 それぞれに親の介護にかかわり、そのために多大な費用がかかる現実に直面すると、兄ではないが「親父が多少お金を持っていてくれてよかったよな」となる。月々の施設に払うお金、諸雑費、安くはない費用を払えるからこそ笑顔で世話して... ...続きを見る |
2008/08/21 15:59 |
人事ならず
日々、ニュースはオリンピックばかりだ。 メダルの数や、選手の動向を聞いていると、スターになれた選手はいいが、スターを期待されながら結果を残せなかった選手の辛さを思うと、スポーツの過酷さがまた別の視点で想像できる。 マラソンの土佐選手然り、重量挙げの三宅選手然り、柔道の鈴木選手だってどんな顔をして日本に帰国するのかと思うと、人事ながら気の毒でならない。 今日は、二人の友人から、どちらも長い長い添付ファイルのメールが届いた。どちらも病にかかわる問題であった。人間は永遠に丈夫でいることなど... ...続きを見る |
2008/08/20 23:56 |
車椅子
介護に直面している友人から電話が来た。 「どう?」。お互いにその言葉だけで自分と同じ立場に立っている相手の思いが共有できる。話し始めれば「わかる、わかる!」ばかり。そして、お互いに沈黙しかなくなり、「がんばろうね!」と言って終わるのだ。 親の恩恵を長く受けて生きてきた分、親に恩返しする時間が長いのだと思うしかない。世の中の自然の摂理だ。 成長してゆく楽しみではなく、衰えて行くわびしさを見つめながら、時間を共有して行かなければならない事は切ないという事だけだ。ケアハウスから昨日私のところ... ...続きを見る |
2008/08/19 14:06 |
ナルシスト
数年前になくなった知人の画家、橋本博英画伯の画集を見ていたら、今の私の心境によく似た気持ちが書かれていた。作家は孤独な中で過ごせなければ作品は生まれないものだ。生前彼は演歌が大嫌いだといっていた。 そのことも文章に書かれていた。朝起きてはクラッシクを聴き、キャンバスに向かっていたようだ。一度足柄のアトリエを訪ねたとき、アトリエの壁の3分の2位のスペースを黄山谷の拓本が占めていたのを印象深く思い出す。彼も思いがけない速さでこの世を去った。画商の間では号100万ぐらいの価格で彼の絵は売り買いされ... ...続きを見る |
2008/08/18 10:36 |
マサラの匂い
睡眠のリズムが狂っているようだ。前日、寝すぎるほど寝たせいか、昨晩はほとんど眠れなかった。どうやってみても寝付くことができず、苦しい夜を過ごした。 起きてみれば今朝のこのうその様な涼しさ。これはまるで極楽としか言いようのないしのぎよさだ。 父を見舞うと、オリンピックのマラソンを食い入るように見ていた。今日はケアハウスの空調が寒く感じられたほどだ。本当にここのスタッフの方々はよく気がついて、行き届いたお世話をしてくださる。 昼ごろにビピンたちがインドから帰ってくるので、バス停まで迎えに... ...続きを見る |
2008/08/17 14:42 |
また夢
ちょっと仮眠のつもりだった。 午後、ひどく疲れを感じる出来事があって、倒れこむように家に戻った。暑いお風呂に入り何もかも忘れたいくらい疲労を感じた一日だった。湯あがりにビールを350CC飲んで、今日はこれでもう車は運転できないと思った。 猫にご飯をあげ、自分も冷蔵庫にあった牛肉のたたき5枚ほどをツマミに冷たいビールを飲んだ。ビールは五臓六腑に染み渡った。夜ビールを飲んでしまうともう仕事はできない。そんな気分でもなかった。 時計は夕方5時半だった。ちょっと仮眠のつもりで床に就いた。ビー... ...続きを見る |
2008/08/16 01:15 |
夏はカレー
人並み以上に水をよく飲む。外で食事をすると、運ばれてくる最初の水は、まず私が一番になくなる。普通の人の三倍は水を飲むかもしれない。 連日の暑さで、当然毎日の水の補給量は増えている。滝のように汗が流れる。また水を飲む。水分過多で胃が疲れてきている。熱いお茶を飲むようにもしているが、つい手ごろな水を飲んでしまう。胃が重いのは冷たいもののとりすぎで疲れているのだと思った。 久しぶりに近くの店へランチに行った。胃が重いから・・・・というと、オーナーは「じゃあカレーですよ」と言った。それもそうだ... ...続きを見る |
2008/08/14 23:08 |
転生
お盆の入りになった。 未亡人になったばかりの友人が、そして、ご主人に頼りきりで生きて来た彼女が、なお且つ、好き嫌いの多い食生活を毎日どうして過ごしているやらと心配になって、今朝電話をしてみた。 「この間ね、寂しくって寂しくって洋子ちゃんに電話入れたら留守だったので伝言入れたのよ、そしたら親戚の別の洋子のところに私電話かけてたのよ〜」と、カラカラと今朝は元気そうに笑っていた。 それから続いて聴いた話が、人間には転生があるなと思う話だった。 彼女によると、外出から帰るとき、また寂しくて... ...続きを見る |
2008/08/13 21:31 |
土の中の根っこ
こんなに間を開けたのは初めてだ。 今年1月に、インド便りbT0を出してから以後、強烈に多忙な出来事が続いていた。やっと今月になっていくらか気もそちらに向いてきて、今日、やっとbT1を発送する事ができた。忙しかった日常を象徴していたかもしれない。 初めてインド便りというものを発送したのは平成3年になる。今年でもう17年続けていることになる。よくもここまで続けたものだと思うが、実感としての17年は感じられない。自己満足以外何ものでもないものだ。お金になるわけでもなし、印刷や切手代を考えると、... ...続きを見る |
2008/08/12 22:39 |
孤独な猫
外に何かの気配があると猫が教えてくれる。私にはとても聞こえない音だ。それでも首をもたげたその時の猫の様子に外を見てみると、宅急便が来たり、だれか人の訪れがあるものだ。外出から細い砂利道を歩いて家に入ると、猫が玄関にチョコマンと座っていて私を迎えてくれる。足音で分るのだろうか?そんないたいけな様子に迎えられると、汗をかいた暑い体で、思わず擦り寄って抱きしめ話しかけずにいられない。それで猫もご満悦だ! 群れをなす猫、孤独に一人で居る猫、猫同士の相性もあるようで、擦り寄ってみたり唸りあってみたり... ...続きを見る |
2008/08/11 23:13 |
やさしいパン
父のお世話になっているケアハウスで、昨日夏祭りが開かれた。年寄りの面倒を見るだけでも大変だと思うのに、ここのスタッフの方々は、いったいどういう人たちなんだろう!面倒以外何物でもない事を、時間をかけて料理を作り、ゲームを楽しませ、芸人さんたちまで呼んで入所者とその家族のために、一日みんなを楽しませた。 今日、朝ご飯が終わったころの時間を見計らって、用があって父を訪ねた。 玄関に、昨日ギターの弾き語りをしていた方が立っていらした。こういう施設は出入り口の自由がないので、開けていただけるまで待... ...続きを見る |
2008/08/10 21:40 |
遠い雷鳴
昼過ぎくらいから西の空が灰色になってきた。突然、雷雨が来そうな予感がした。 外に干してきた洗濯物が気にはなったが、また洗い直せばいいことだと決めた。幸いにも、空の色は灰色に変わったが、雨には至らなかった。 突然何もかもから逃げ出したくなったのは、雨雲のせいではない。後ろから声をかけてくださった声も聞こえた。 「気をつけたくださいね!気をつけてね!」振り向くゆとりもなく早くそこから離れたかった。そんな時もある。 家に戻って急いで洗濯物を取り込んだ。濡れないですんだ。父の寝具だ。もうじ... ...続きを見る |
2008/08/09 21:28 |
団扇の風
連日の猛暑、去年壊れてしまった扇風機を買い代えに行った。大型家電店の扇風機の棚は空っぽだった。店の話では去年より多く運ばれて来ているのに、またすぐ売れてしまうのだと言っていた。 団扇の風もいいものだ。 父と母の間に挟まって寝ていた幼いころ、暑くて眠れぬ夜に、母がパタパタと団扇で風を送ってくれた。眠い母の手が止まると、私はわがままを言ってまた母を起こした。またしばらくパタパタと団扇の風が来て、やがてゆるい風になり、自分も母も眠ってしまったようだ。幸せだった幼い日々、いつも母の送ってくれたや... ...続きを見る |
2008/08/08 23:08 |
見えない波紋
興に乗り出すと、途中でやめられなくなる。寝たのは深夜1時を回っていた。 時間になったからといって、紙に向かい、興に乗り出した気持ちをそうやすやすと押入れに押し込むような訳にはいかない。無理を承知で深夜まで仕事をしてしまった。頭の中でずっとアイディアを考えていても、ひとつも答えが出ないのに、不思議と紙に向かうと、思いがけない方向に気持ちが導かれるような事がよくある。 いつも心に留めていただいているお蕎麦屋さんの壁面に、私の絵がかかっている。 昨日、長いこと架け替えをしてなかった絵を取替え... ...続きを見る |
2008/08/07 21:01 |
アンドレギャニオン
いやあ!今日は驚いた。音楽はこんなにも生き物に感応し反応するのかとびっくりする出来事があった。 昨日、東京から父がケアハウスに戻ってきた。夕方好物の漬物と、カリカリ梅を持って会いに行った。 ここの施設長の松橋さんは、玄関にいつもBGMを流している。小さな図書コーナーには相田みつをの本や心を癒す類の本がおいてあるのも松橋さんの意向だと思われる。私の気に入ったCDの何枚かを松橋さんにお貸しした。いつもそのうちの何かが玄関に入ると流れてくる。今日はアンドレギャニオンだった。 このアンドレギ... ...続きを見る |
2008/08/05 22:18 |
犬の挨拶
早朝に目が覚め、鳥の声が聞こえる時、とても幸せに満ち心が鎮まる。 5時に目が覚めたときは、散歩に出かけることにしている。7時になってしまうと、もう熱くてアスファルトジャングルを歩く気にはなれない。六時を過ぎてもまだ山門の開かないお寺は怠慢だといつも思って、木戸の外から参拝して過ぎ去る。隣にある春日神社は、その時間には必ず境内が掃き清められ、水も打ってあるのにいつも感心している。こんな神社を参拝できるのはご利益数倍の感がする。 朝の早い時間は犬の散歩が多い。あんなに一時期見かけたシベリアハ... ...続きを見る |
2008/08/04 21:43 |
聞き上手
人の話の聞き方は大変難しいと思う。 適当な距離を、置いてないように見せながら距離をおいて聞く態度が一番いい。相手の話にのめりこみすぎて、同調することが必ずしもいいとは限らない。同調されて喜ぶ人もいるかもしれないが、あまり相手の世界に入り込みすぎると、逆に話した方から疎ましがられてしまうこともある。 かといって、話した相手が、フンフンと聞いた振りして気がまるで入ってないと感じる時も、背筋が寒いような気分になる。 人は誰でも自分のことを聴いて欲しい相手が欲しいものだ。この人はしゃべりたい... ...続きを見る |
2008/08/03 22:34 |
クライマーズ・ハイ
インドに帰るビピンに、成田エキスプレスの中で食べるサンドイッチを持たせ、駅まで送った。 昨日から何度もおなかのことを心配している。彼の言を借りると、自分はもう7年も日本に住んでいるので、体が日本人と同じになってきている。インドに帰ると必ずお腹を壊すのだという。だから、お腹いっぱい食べないようにしている。そういいながら夕べは友人を囲んでインド料理を食べた。明日からは毎日ムンバイのお母さんの手料理はカレーなのに・・・・・・、とも思うが、サモサに、ダル、タンドリーチキンとサフランライスも結構食べて... ...続きを見る |
2008/08/02 21:58 |
活弁
暑い昼間、横浜の先、京急の小さな駅、黄金町というところへ無声映画と活弁の催しに行ってきた。 所属する横浜ペンクラブからの案内で、以前会長をしていらした方が弁士を務めるので、みんなで応援に聴きに行こうということであった。私はまったく別の友人を誘って出かけた。 入場料、シニア・1000円のところを800円にしてくれた。聴いたこともない町に下車するというのは、なんだか不思議なときめきがあって楽しいものだ。今日が最終日だという第一回・黄金町映画祭の最後の催しだということが、行ってみて分った。駅か... ...続きを見る |
2008/08/01 19:26 |
寝る子は・・・・
東京から友人が遊びに来た。目的は天然温泉に入ること。韓国アカスリをしてもらいたいと言ってやってきた。 いつものマッサージ師さんがお休みなので、彼女がアカスリをしている時間に合わせて、私はリフレクソロジー、タイ式の足のひざから下のオイルマッサージを頼んだ。 これは実に心地よく、自分ではそこまでやらないような足の指の裏のつぼをジンワリジンワリとマッサージしてくれるのだ。ゆったりしたリクライニングの椅子に横たわり、意識があったのは最初の2〜3分だけ、40分コースの最後まで爆睡だった。軽くひざを... ...続きを見る |
2008/07/31 21:32 |
本物もどき
時々、無性にインドのローティーが食べたくなる。私の大好きなのは、ルマリー・ローティーだ。インドでも、チャパティーのようにどこでも食べられるとは限らない。ルマリーとは、ハンカチのこと、つまり、ハンカチのように薄く延ばした大きなパンのことだ。共働きの友人の家に泊まると、よく店へ電話で注文をしてこのルマリー・ローティーを取り寄せてくれる。 日本にもチャパティーを作る粉”アタ”は売られているが、最近これは偽物だということが分ってきた。以前から粉を練って、インドから持って帰ったチャパティー用のタワ(... ...続きを見る |
2008/07/30 22:11 |
もう一人の自分
起き掛けにはすぐCDを聞く。猫たちも心なしかおとなしく聴いている。今はかなり、ナナムスクーリにはまっている。ダ・カーポのボーカルの女性の声はきれいだが、ずっと聴いているときれい過ぎて少し疲れる。森山良子も透明な声だが、とてもナナムスクーリには及ばない。持ち前の声質というのだろうか。程よい高音と、メロディー、それにギリシャ語だったりフランス語だったり、スペイン語だったりする言葉のニュアンスも、メロディーに打ち解けて美しく、なんど聴いても聞き飽きたり疲れたりはしない。 彼女のCDの中に、メキシ... ...続きを見る |
2008/07/28 22:52 |
汗
父の好きなラーメンがある。通称、私は「すっぱいラーメン」と呼んでいる。「すっぱいラーメン食べに行く?」と、たずねると、よほど体の調子でも悪くない限り、父は出かける気になる。 世の中にはさまざまなラーメンを工夫して売り出している人たちが居るが、この酸味のあるラーメンは珍しい。 刻んだ玉ねぎと、ワカメと、シナチクが少しトッピングされていて、少しうどんのような感じのラーメンだ。こんなすっぱいスープのものがラーメンだなんてとんでもない!と嫌う人も居る。どちらかというと好みのはっきりと分かれるラー... ...続きを見る |
2008/07/27 16:03 |
同じ夢
今朝は4時半に目が覚めてしまった。そのまま起き上がった。胸の奥の方が何かあせっていた。夢のせいだ。 以前にも同じような夢を見た記憶がある。約束に遅れそうになる夢だ。目が覚めてもまだ、それが夢であったのか、本当に約束していたのか戸惑い、現実に返らない自分の意識を呆然と感じていた。 すごくはっきりとした記憶だ。色もついている。予約した歯医者に行かなければならない夢だったような気がする。 以前にもまったく同じ情景の夢を見た記憶がある。なぜまたなんども同じような夢を繰り返してみるのだろうか? ... ...続きを見る |
2008/07/26 11:43 |
深夜のベル
寝かかったら電話が鳴った。 聞き取りにくい男の声だった。「もしもし・・・」と、なんどか繰り返しながら、もしかしたら嫌がらせ電話かもしれないと思い、しばらく沈黙した。また男の声で、「ハロー・・・・ヨコジー!」と聞こえた。アメリカに住む最愛の息子、プラスーンだった。ウメシュの一番下の弟だ。時々、こうして電話してくる。 「今何時なの?アメリカは?」とたずねると、朝の10時ころだとか言った。きっとオフィスに行って、少し暇だったのかもしれない。「アイ ミッシング ユー」と言った。「日本は今、夜中だ... ...続きを見る |
2008/07/25 22:42 |
活かされる
この年齢になってようやくしみじみ世間のこと、生きて行く上での事、それなりに感じることは深まってゆく。 そして、世の中、いつ何時、何がどう役立つか分らないものだということも感じることがある。 インドに行くようになり本場のインド料理を習いたいと思っていたが、なかなかいいチャンスもなかった。ある時、友人のインド人の母上が、出張して来てくれて、何人かの友人たちと本格的なインド料理を習うようになった。その後、別のインド人から、これもまた、さまざまなタイプの料理を習う機会ができて、私のインド料理ファ... ...続きを見る |
2008/07/24 22:43 |
プラナーム
インドでは目上の人に対する礼の現し方の一つに、ひざまずいてその人の足に触れ合掌する、プラナームと言う挨拶がある。知り合いのインド人たちにどう言う時よくするか聞いてみると、インドの縦社会が見えるようだ。 先日来日していたアシュビニの妹、アクシャタは、姉さんの旦那に、来日初日はプラナームをしたという。毎日はしない。もしここに、親が居たら、きっと旦那のビピンは、アシュビニの両親にプラナームをするのだろうと思う。 私もインドで、突然嵐のようにプラナームの挨拶に襲われて驚くことが何度もあった。友... ...続きを見る |
2008/07/23 22:13 |
本当のことが知りたい
Aさんは、Bさんに盗癖があるといって信じ込んでいる。それを実際に見たわけではないが、Aさんはそのことを確信していると言い張る。実際に見ていないものをそこまで信じ込めることもすごいなと思うが、自分と同じ意見の人が何人か居るのだといっている。 数年越しのこの問題は、いまだ解決したわけではない。 私はそれを知ってからも、Aさんとも、Bさんともお付き合いしている。AさんとBさんもお互いに無難に付き合っているが、Aさんはいつも気が休まらないだろう。私にはBさんがとてもそんな人には思えないのだが、A... ...続きを見る |
2008/07/21 17:25 |
母と子
いつもよりはるかに顔色が悪かった。めったに弱音をはかない人だったのに、ご主人の車に乗って中元を届けに来た様子は疲れ果てて見えた。 何もこんな時に・・・・・と、私には決して遠慮をしないように、御身大事にして欲しいと少し叱った、そして車に乗って帰ってゆく窓からもう一度、そのことを念押しした。弱々しげに「分りました・・・・・」といって帰っていった。 予定外に早く娘が妊娠出産し、税理士の資格試験の受験と育児がもろに重なった。娘の学びたい気持ちを慮って、母である彼女は毎朝、7時30分に家を出て、1... ...続きを見る |
2008/07/20 18:10 |
フアン
もし、何歳になっても誰かのフアンになれたり、誰かがフアンになってくれたりしたら、人生は大いに華やぎ楽しいものだろうと思う。私だって、何人かの人のフアンでもある。フアンと言うのは、ある距離をもってその人を見ることができるいい関係だ。 一緒に居ればことのほか楽しいが、かといって決して一線を越えることはない。そんな関係は危険度が少なく、ほどほどのときめきもあっていいものだ。 インドのビピン君は、ある私の友人のかなりのフアンのようである。はばからず彼はそれを公言している。それを知らされた本人は... ...続きを見る |
2008/07/19 18:47 |
父の床
年を重ねるということはある味わいもありまた難儀なことが増えてゆくものだ。 人間はよくしたものだと思う。若い時代のあの無謀なまでの激しい行動力、年を重ねて見えてきた人生の深さそして失う行動力、どちらもが未完成な人間の姿だ。もう一度、青臭い未成熟な時代の自分に帰りたいとは思わないが、時間を重ねることの美しさと難儀さが時折アンバランスに自分の中で均衡を失う。 裸眼で見えていたものがメガネをかけなければ読めなくなり、なんでもなく、いくつものことを同時にこなせた力がなくなり、疲れを感じるようになり... ...続きを見る |
2008/07/18 22:18 |
マメな男たち
そうだ、かつてのロカビリー歌手、ミッキーカーチスが、親子ほども年の違う女性と再婚した時、友人の誰かが「彼は実にマメな男だから」とコメントしていたのを聞いた事がある。 ガスの火ひとつ付けない、いや、つけられない男もいるかと思うと、料理から洗濯掃除、家事をしながら自分の趣味もやってのけられる実に見事にマメマメシイ男性も世の中にはいるものだ。そういう男性を友だちにもつと、男手が必要なとき、実に助かる。彼らは報酬など期待していない。動き回って何かすることが好きなようだ。 ミッキーカーチスがどれ... ...続きを見る |
2008/07/17 23:05 |
親の顔が見たい
生まれて数ヶ月の赤ちゃんに会った。生まれたばかりのころは、怪獣のような声で泣いていたのが、日に日に変化するので、なんだか嬉しいようなちょっと寂しいような複雑な気持ちだと、若い母は笑っていた。目の前にある実家の母親にもお願いして、手を借りながら育てたいと言っていた。その甘えない少し引いた物言いが彼女らしいと思い、結婚する前のあることを思い出した。母親から聞いた話だ。 ある日彼女は、ご両親の前でこう言ったそうだ。「すみませんが、もう少しこの家に居させてください」。 言われた両親の方が驚いたと... ...続きを見る |
2008/07/16 22:32 |
灯台もと暗し
今日、アシュビニと、妹のアクシャタがムンバイに帰った。 「僕は、アシュビニさんがいないと寂しいです」と言うビピンの言葉は本心なんだろうか。私が冗談に、「しばらく独身をエンジョイできるね」と言うと、嬉しそうにまんざらでもない顔をするが・・・・・・ 先週の月曜、初めて彼らの家に行って、夕食をご馳走になった。 椅子が足りないので、インド式に床にクロスを引いて、みんなでお行儀悪く座り、今日は手で食べようということになった。右手だけでローティーをちぎり、カレーをはさんで食べるのも、食べ終わるころ... ...続きを見る |
2008/07/15 21:08 |
朝の雲
5時に目が覚めた。もう一度眠りたい気もしたが、顔を洗って外に出た。5時20分、スニーカーを履いた。 朝の空は少し灰色だった。東の空の雲の合間には青い空が覗いていた。梅雨明け宣言はまだないが、もうこのまま夏に突入するのではないかと思う暑さが早朝から感じられた。コンクリートジャングルの熱気は地面から伝わってくる。息の抜けない熱気が溜まったまま、今日も町を熱さに包むのだろうと思われた。 気の毒な! メインロードのごみ置き場は、被せられた鳥よけネットの間から、賢いカラスが食べ物をつついて、いた... ...続きを見る |
2008/07/14 22:03 |
流れに乗る
覆いかぶさるように思い荷物が時々私を襲う。荷物を振り払おうとするからその重さが余計に負担に感じるのだ。重さをじっと味わってみる。慌てて自分のリズムに相手を合わさせようとすると、上手くはいかない。摩擦が起きる。すべてのことは時間とともに解決されてゆくものだ。 小さな御堂、2畳ほどのスペースに座って、香を焚き、鳥の声と風の音に耳を澄ませた。心の中の声にしたがって、湧き出て来る言葉を受け入れてみると、答えは意外と単純なものだ。 昨日から弁天様に呼ばれていた。そんな時は呼ばれるままに御堂の中で... ...続きを見る |
2008/07/13 22:05 |
猫に音楽
ブックオフで、以前「ペット(猫)のための音楽」というタイトルのCDを買った。 ヨハンシュトラウスの春の声や、チャイコフスキーのくるみ割り人形、ホフマンの舟歌に、ビゼーのカルメンが録音されており、猫のストレス解消に役立つと書いてある。もちろん、猫と一緒に暮らしている人間にもいいわけだ。 最近TVを見ることが少なくなった。 朝起きてすぐ音楽、家に居る限りはいつもCDをかけて聴いている。心なしか、猫たちも穏やかでおとなしいような気がする。ときたま、気に入らない仲間が目に入ると、脱兎のごとく、... ...続きを見る |
2008/07/12 21:29 |
野菜スープ
田舎の叔父から先だってたくさんのお米や野菜をもらって帰った。びっくりするほど大きな太いきゅうり、熟して身のしまったトマト、それに柔らかなキャベツが大きな袋にいっぱい・・・・・!きゅうりは一日取りそこなったらとんでもなく大きなお化けきゅうりになってしまうのだと言って、渡された。 そこへホクホクのすばらしくおいしいジャガイモが友人から届いた。野菜づくしの日々である。今朝、キャベツが傷みだしの出してきそうなのでザックリと切って、コトコトと煮た。少しチキンコンソメを足して塩も少し入れた。小皿に浮か... ...続きを見る |
2008/07/11 10:02 |
けじめ
もはやこの国の若い世代からけじめという言葉は死語になっているのだろうか? そんなことが、腑に落ちないことのひとつとして今日は感じられた。個人の自由といってしまえばそれまでだが、そのけじめのないズルッとした感覚が、服装ひとつにも出ている。いまどきの若者の服の着方のだらしなさ汚さ、ジーパンの裾が長くズルズルと地面をすって歩いているのに、そのまま部屋に上がるのかと思うと、それもまたけじめのなさと言ってしまえる。 今日、美容院に髪を切ってもらいに行った。いつもと違う若い声がするので尋ねたら娘だと... ...続きを見る |
2008/07/10 22:51 |
意味不明
アシュビニチャンとのメールのやり取りには下手くそでもヒンディー語で送るようにしている。向こうからもヒンディー語で返事をくれる。時々、「意味がわかりません!」と言われてしまう。それでも気の毒と思うのか、一生懸命苦労して理解してくれているようである。 どんなにか変な文章なのだろう。お許しあれ!まことにこの年での語学学習は骨が折れる。 反対の時もある。彼女が日本語で書いてくるメールが意味不明のときもある。まだ彼女は若いし、吸収力はあるから、私のヒンディー語よりはずっとましな日本語を覚えることだ... ...続きを見る |
2008/07/09 16:23 |
奉仕
このところの長距離での外出が続いたせいか、かなり疲れている。久しぶりに気持ちよい昼寝をした。 「忙しいのに、猫の世話までやって・・・・・」と、人に言われるがそう苦痛とも思っていない。いとおしい猫ちゃんたちのことは一向に苦ではない。好きなことは苦痛を伴わないものだ。究極はそこだと思う。 年をとり、下の問題が多くなってしまうのは仕方がない。 施設の若い介護士さんたちが、なんでもなくそれをこなしている姿を見るたびに、すごいなあ!私にはできないなあ!と、彼らの背中に合掌したくなる。どうしてそう... ...続きを見る |
2008/07/08 19:32 |
夫婦愛
私には大好きな叔母が二人居る。一人の叔母はもう亡くなってしまった。 タバコを吸っていた訳でもないのに肺がんで亡くなった。最後に病室を訪ねたときの、本当に苦しそうな様子が今もまぶたに焼きついて離れない。物静かで優しい人だった。子供のころ、夏休みはいつも叔母のところに遊びに行った。我が家では見たこともない鳥のもも肉をホイルに包んで焼いて食べさせてくれたり、アイスクリームを作る叔母がとてもお洒落に見えた。 そしてもう一人の大事な叔母が、先月、救急入院した。パーキンソン病を長く患っていた叔母は、... ...続きを見る |
2008/07/07 21:47 |
世相
休日のこの夜遅くになっても、まだ外の騒音がやまない。駅の改札から外につながる階段は人の波でうねるようだった。急ぐ用があるわけではない人々の歩幅はゆっくり過ぎて、用があってやむを得ずその混雑の周辺に出かけた人間には、そのテンポがかったるかった。 背中や腕に刺青をした母親に乳母車を押されている赤ちゃん。これが親かと思う身なりの、父親と思われる男も母親と見られる女も、幼子の手を引きながら、片手に火のついたタバコを持って歩いていた。 父はこういうものかと思って育ち、母とはこういう女を言うのかと... ...続きを見る |
2008/07/06 20:48 |
戦争
朝早く友人から電話が来た。 一通りの挨拶のあと、「ビッグニュースだよ!」と彼女が言った。「そうねえ、結婚してるから再婚ということはないし・・・・・・、おめでたとも考えられないし・・・・・・」と、あれこれ御託を並べて笑いあったあとで「あの会を辞めたのよ!」と言った。あの会というのは、私も10年近く所属していた書の会であった。ばかばかしい人間関係に疲れて辞めた。付き合いが深くなるほど本音と建前の矛盾に付き合いきれなくなったのだ。彼女は私が辞めた後も、結構上手に付き合って頑張っていたが、どうも何か... ...続きを見る |
2008/07/05 10:30 |
要るものと要らないもの
音楽を聴きながら無性に涙があふれる日がある。もって行き場のない感情、町は七夕でやかましくなった。 いつもは人通りがなくなる道が、遅い時刻を過ぎても、子連れの家族や、浴衣の若者たちがカラコロと下駄の音をさせて歩いている。珍しく七夕の初日、晴天の幕開けになった。これから4日間、賑やかさが続くことだろう。 6時ごろだった。アシュビニが妹を連れて現れた。七夕を見に行ってきたのだという。疲れ果てて座り込むぐらい歩き回ったようだ。ドアの影にディプティーが隠れていた。しばらく会わない間に少し太ったよう... ...続きを見る |
2008/07/04 23:11 |
光と闇
こんな言葉を思い出した。 「家のお父さん(ご主人のこと)てね、私が友達といつどこに旅行に行くときも、決して反対はしないし、おお!誘ってくれる人がいるうちが花だ、いって来い、いって来いと、いつも気持ちよく出してくれるのよ。でもね・・・・・・」と、この後の言葉がこうだ。「自分はとっても楽しい気持ちで家に帰るのだけど、お父さんはいつも、ご飯食べないで待っているの。悪いなあと思うから、台所に立つでしょすぐ、すると旅の楽しさがなんだかみんな消えて行ってしまうのよ」。 聞きようによってはそれは贅沢と... ...続きを見る |
2008/07/03 21:44 |
さまよう心
毎月、インド子供基金に寄付を送り続けてくださる方がいらっしゃる。必ず手紙を添えて、もう何年続けてくださっていることだろう。その慈悲の心にいつも感動し励まされ感謝している。 昨日届いた手紙は、私にも共感できることが書かれていた。 先月、実家のお母様をついに施設にお預けになったらしい。その迷いと、苦しさと、自分を責める気持ちと介護の限界との間に立った複雑な思いが、面々と書かれていた。最近、さまざまな介護施設を回ってみて歩いた私にも、その苦悩はよくわかった。大方は女性が入居しているところが多い... ...続きを見る |
2008/07/02 12:10 |
再会
かかりつけの内科の病院は、いまどき珍しい昭和初期の面影のある私の大好きな内装だった。床やドアの一つ一つにも木の匂いが残り、人の手のかかった電機の傘、窓ガラスのしゃれたデザイン、どれもが手作りの温もりの伝わる良さがあった。さすがに世代交代でついに改築工事を始められた。まるで羊羹でもすっぱりと切ったように、病院の半分が削られて、いまどきの建築様式に次第に姿を変えつつある。 もうじきなくなくなる薬をいただきに、しばらくぶりで病院の中に入った。改築工事が始まってから初めてだった。処方箋をいただくだ... ...続きを見る |
2008/07/01 21:42 |
優雅な朝は・・・・・
なんと言う幸せなひと時であったことか! 起きてこない父のことを頭からはずし、おいしいコーヒーをいれ、朝食を作って椅子に座り、のんびりとCDを聞きながら食事をした。胸の中に幸福な静かな時間が砂に水がしみこむように流れてゆくのが感じられた。幸せで、たとえようもなく幸せな朝だった。道路から網戸越しに流れてくるさわやかな風も心地よく、椅子に頭をもたれて音楽に酔いしれていた。心の中のさびや汚いものが剥がれてゆくような癒された時間が流れていた。 「ヨコさ〜ん!」聞きなれた声が玄関から聞こえてきた。金... ...続きを見る |
2008/06/30 23:45 |
町のよさ
気ままに寝起きする父に付き合うのは大変だ。どうせ昼近くまで起きないなら・・・・・と、徒歩5分の所にある映画館にすっ飛んで行って、朝一で「西の魔女は死んだ」か「奇跡のシンフォニー」にのどちらかを見ようと思った。 土砂降りにもかかわらず、切符売り場の列が映画館の外にまではみ出し長蛇の列だった。たぶん、インディージョーンズや相棒や、今、面白い映画いっぱいの映画館が雨の日の娯楽に人を引き寄せていたのかもしれない。さっさとあきらめて映画館をあとにした。 映画館から歩いて6 |