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<<   作成日時 : 2009/02/08 21:49   >>

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 富山のタクシーの運転手さんが言った。こんな雪のない冬は、自分の人生でも二回目ぐらいだと・・・・・・
去年、やはりこの時期に富山に来た時は、道の角々に除雪された雪が山のようになっていた。真っ白な町を想像して出かけたが、北陸の地は春のように暖かだった。
 しかし、四方を取り囲む山並みはすばらしい光景だった。快晴だからと言って必ずしも山並みがこんなにきれいに見えるわけではないと言われるのに、連日息を呑むほど雪をかぶった白銀の連山は美しい雄姿を見せてくれた。
 数十年前、夫の故郷を始めて訪ねた日、一人暮らしの姑の住む家の庭から、立ち並ぶ白銀の立山連峰がまぶしいほど輝いて美しく見えたのを昨日のことのように思い出す。その、今は、跡形もなくなった空き地の横に建つ先祖の墓を参り、何も変わらないのは、畑の横を流れる疎水と、姑の使っていた水道の蛇口だけだと思った。
 早いようで、考えれば長い年月が過ぎている。
あんなに健康で溌剌とし、怖いくらいに威厳のあった夫が、今は幼子のように穏やかで静かになってしまった。姑が生きていたらどんなにかこの状況に切ない思いをした事だろう。彼の心の支えだった姑の思いがけない早い死が、彼の心を少し狂わせた。心の中に潜んでいた闇が、さまざまな形をして外に出てくるに違いない。彼にかかわる出来事を、もう、わたし一人で抱えまいと思い、すべてはありのままに兄弟に告げた。
 かつては怖れていた長兄への、兄弟たちの懸命な介護、そして、久しぶりに見る夫の穏やかで幸せそうな表情に、私は心からうれしかった。なんと、いい兄弟だろう!私はこの人たちと縁ができたことを、心から感謝している。
 かつて、私の心が彼への憎しみの限界にたどり着いた時に出した結論。それはそれで正解だったと今も思っている。あれから十数年、すべての状況が変わった今、人はこんなにも心を変えることが出来るのだと言うことを、私自身が知った。憎しみ続けるより許せるほうがいい。冷たい仕打ちを続けるより優しい心遣いがいい。そんな些細なことのずっしりとした重みを感じることが多くなった。
 兄弟たちの思い出のふるさと、八尾の小高い山の上に宿をとり、語り明かした二日間、それが、今の夫にとって一番の薬だと言うことを、私は兄弟に言い続けた。仲のいい兄弟たち、みんなそろって空港まで私たちを見送ってくれた。変化してゆく状況の速さに戸惑いながら、この道を走り抜けるしかないことを私は知っている。
 良い事ばかりも、悪い事ばかりもない人生だと思う。背中に暖かなエールを感じながら帰宅、また頑張れそうな気がしている。
 明日からまた、父と夫との時間が始まり、そして私自身の、自分の人生も生きなければいけない。
 

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